ロスジェネよりももっともっと下の世代


http://d.hatena.ne.jp/poka_poka/20080106/1199622340
この記事が思ったより反響が大きかったので補足というか新たに書き足し。
http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20080119/p2
http://d.hatena.ne.jp/gothedistance/20080109/1199893762
http://blog.seesaa.jp/tb/79044622


>直接関係はない(自分は20代前半なので)のだけど、
>
>就職氷河期というのはパラダイムシフトであり,それ以降の世代には強く関係がありま>>す.そういう意味では今の20代やそれ以下の人達も当事者だと思います.
と、思っていたのだけど、同世代の人の多数(と、言っても自分の周辺の話なんだけど)があまりにも大企業志向、安定志向、年功序列の強いところを希望していたので、パラダイムシフトしてないのでは?と思ったのでこう書きました。
でも、マクロの面から見たら、教育制度、社会保障ニート、フリーターなど影響を与えたことはたしかです。


> たしかに福利厚生については大企業の方がいいんだろう.住宅手当もある方がいいが,どうせなら給料にしてもらった方が退職金の額も上がるのでなお良い.*2
>
> でもモデル年収は全くあてにはならないから.
各種手当て、福利厚生は社員の囲い込みに役に立つから企業は行っているのだと思う。
社員も生活を保障されている(実際は囲い込まれているわけだけど…)と思っているので一石二鳥?。
自社株の購入優遇制度、35年ローンの補助制度や社販(メーカは)なども会社に忠誠を誓わせる良い制度ですね。
下手にお金を渡すと転職されちゃいますし…
月給少なめにしておいて、業績に応じてボーナスで調整するのもひどい話です(月給は固定費だから多く払いたくない。業績悪ければそれを盾に給料が下げられる)
年棒制、ストックオプションが流行らないのも関係があるのかな?
ほんと、モデル年収はあてにならないです


> 大企業は社員教育にまるまる2年近くかける。
>
> いつの時代の話?
>
> 今だと3ヶ月とかザラみたいだよ.非正規雇用だとそもそも教育期間なんてないし.


これは今でも「正社員」は社員教育をまるまる2年行っているところはあります。
昔よりは少なくなったけど。
父いわくコアな人材は自社でまかなうしかないそうです。
でも、大企業の仕事の8割は外部にアウトソーシングしているらしいです(社内の掃除からネットワーク……etc)
その8割の人が非正規雇用だと言っていました。


> すごいやつは海外に飛ばしたり、幹部候補にしたりしかるべき措置をとるそうだ。
>
> これもウソっぽい.*3
>
> そもそもポストは先着順で,今はポストが埋まっていて順番待ちの長い行列ができている.若い世代に椅子が回ってくるのは数十年後じゃないかな.その時まで会社が残っている保証がどこにある?
だいたい今から20年前からこうらしいです。
自分の父もこのとき海外に飛ばされて2年間ほとんど顔を合わさずに過ごしました。(このとき自分は3歳でした)
父の場合、半分左遷?みたいなもんでした。
ちなみに、父の同期の社員は何割くらい自社に残っているか聞きました。
だいたい3割くらいだそうです。
あとの7割は指摘のとおり、海外から戻らなくなったり、早期退職(体調不良が多いそうです)、転職です。
50〜60代の日本人男性の平均転職回数のデータ、勤続年数のデータがどこにあるかわかりませんが、もはや年功序列は崩れつつあります。


> 大企業は絶対従業員を見捨てない。
>
> 全員で生き残る方法を考えている。
>
> この「全員」には非正規雇用やロストジェネレーション含まれない.
>
> 彼らは「全員」が生き残る方法を模索し,バブル崩壊のしわ寄せを若者に押し付ける道を選択した.それが就職氷河期の真実.
これにぼくは感情的には反論したかったのだけど、これは正論なので反論できそうもない。
ただ、この就職氷河期のとき非正規雇用やロスジェネを切り捨てなければ、団塊世代も生き残れなかったのではないか?と思います。
半導体が1ドルになって、128MのPC用DRAMが15000円だったのが、たった1年で1500円になったんです。
売れば売るほど赤字でどうしようもなかった。
他の業界は知らないけれど、半導体業界はあのとき「死んだ」んです。


でも、今はちがう。
あのころよりは幾分か景気は回復したし、今こそロスジェネを救わないといけない。
この前、8年下の弟と進路の話をしたんだけど、(弟は中学2年生)


「なあ、兄ちゃん、これからどういう高校に行って、大学に行って、どういう会社に就職すればいいと思う?」
「兄ちゃんは今年就職だけど、今新卒の3人に1人は非正規雇用で、新卒就職率は回復したって言ってるけど嘘っぱちなんだよ。おまえが就職のときは隣の国の韓国みたいに新卒の半分は就職できない時代になってるかもしれないなぁ…」
「じゃあ、たくさん勉強して頭がよくなればいいんだね?」
「大卒でも就職できないかもよ。それに人を蹴落として就職したい?」
「非正規雇用だと収入不安定で、結婚もできないよ。そんなこと言ってられないよ。公務員とか安定してていいんじゃない?」
「公務員だって大変だよ。試験通らなきゃいけないし、学校の先生は残業いっぱいあって手当てつかないところも多い」
「じゃあ、海外に逃げるとか!?」
「永住するのは難しいし、日本人がまったく別の国になじめるかというと難しいんじゃないかな」
「じゃあさ……どうすればいいの?」


けっきょくのところ、こんな感じで堂堂巡りで、答えられなかった。
うまく言えないんだけど、ぼくらは日本人を辞めることはできないし、逃げ場はないし、誰かを呪うこともできないし、嘆いても変わらない。
JavaBlackさんの言うとおり、個人の戦闘能力を高めて(自己啓発、貯金)なんとか逃げ切るのが最善の策なのはわかる。
でも、ぼくの弟みたいに先の暗い世代はこれからも生まれてくるし、第2のロスジェネが生まれる可能性はゼロじゃない。
どのような対策ができるか…もっとこう全体を変えられるような方法がないものか…