ぼくの父ちゃんはすごいスーツ

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未踏の人、天才、大企業くたばれ!、団塊が悪い、30代は不幸だ、みたいなことが書かれてたのでそれについて考察。


結論から先に書くと、日本の大企業の経営にぼくはおおむね賛成です。
はてなダイアリーや他のblogの人はけっこうベンチャーに好意的だったり、もっとイノベーションを!とか、人材の流動性が〜とか語るけども、ぼくはどうしてもそれに賛成できない。
あくまで「個」の力に依存しすぎなんじゃないかと。


ぼくの父はいわゆる大企業の出なんだけど、ベンチャーと大企業どっちが優れてる?って聞いたら大企業のほうが優れていると言われた。
大企業は社員教育にまるまる2年近くかける。
その中で個人の適性を見抜き、それにあったポストや仕事を与え育てる。
入社当時はそんなでもなかった人がそれなりに使える人材になるのだ。


それでも、天才とか優れている人には画一的な教育に嫌気がさすのでは?と質問した。
そんなことはないらしい。
すごいやつは海外に飛ばしたり、幹部候補にしたりしかるべき措置をとるそうだ。


でも、会社が嫌になって転職したい人って出ると思うんだけど、どうやって引き止めるの?とも聞いた。
そういうときは関連会社や他の事業部に社内転職させるそうな。
あと、社内ベンチャーとかね。


でも、この質問のあとがすごかった。
大企業は絶対従業員を見捨てない。
全員で生き残る方法を考えている。
サッカーにたとえると、ベンチャーはブラジルのサッカー。
スター選手の個人技で得点する。
大企業はオランダ。
全員で守り、全員で攻める。
一人一人の力は弱くても、どうにかして得点する方法を考える。
だ、そうだ。


で、話は戻るけど、ぼくの父。
一応会社の中でそれなりのポストらしいけど、そんなにすごい人(能力が)というわけではない。
前に、なんで(親父はそんなにめちゃめちゃ優れている人材というわけでもないのに)そんなポストについてのかきいたことがある。
やはり才能、能力のある人は大企業に満足せず飛び出してしまうらしい。
そんな中自分はたまたまここに残っていて、こういうチャンスがあって、あれよあれよという間にこういうポストについたのだそうだ。
事実、父は普通の技術者だったのに、人事、営業、なんでも頼まれたら断れない性格なので引き受けているうちにこのような変わったスキルが身についたのだと思う。
大企業って将棋の歩をと金にする力がある。


でも、その大企業を出て行った人はその後大成して勝ち組になったんじゃないの?とぼくは聞いた。
が、あんがいそうでもないらしい。
ベンチャーを立ち上げた人は資金繰りにばかり忙しくなったり、外資系企業に行った人は働きすぎて体をこわしたりとかね。


父は最期にぼくにこう言った。
どんな会社に勤めてもいいし、なにしてもいいけど、手段は目的じゃない。
幸せになる方法を考えろと。
未踏、天才、凡人、ベンチャー、大企業、ロスジェネ……なんとかしてみんなで生き残る方法を考えるスケールの大きい人っていないのかな?(人に限らず、思想や方法でも…)


ぼく:「幸せってなんだよ?具体的に定義しないと議論できねーよ。」
父:「そうだな…孫の顔がみたいかな(笑)」


それは非モテの理系男子には難しいよ父(笑)